宿泊施設と交通手段を兼ねたクルーズ船は「動くホテル」とも言われます。
その特性を活かして同じ客船でも季節が変わるごとに異なるエリアで運航したり、ベストシーズンを迎えた土地には多くの客船が集まってきたりします。
例えば、クルーズ旅行の人気エリアである地中海のベストシーズンは春~夏です。
その時期であれば地中海をぐるぐると定期運航するクルーズ船が何隻も見られる一方で、真冬にはコース本数が激減します。
クルーズ旅行を計画するにあたっては、どのエリアがいつベストシーズンを迎えるのかという情報を知っておくことが大事です。
陸の旅行に比べてもクルーズ旅では比較的長めの日程を確保する必要するがあるため、現役世代の方の場合にはGWやお盆などの休みがとりやすい時期を狙うことが多いと思います。
そこで、こちらの記事では各季節の連休シーズン別の、おすすめのクルーズ旅行の行き先を紹介します。
次のクルーズ計画の際の参考になれば幸いです。
- <春>ゴールデンウィーク(GW):地中海、アメリカ西海岸、日本発着外国船
- <夏>夏休み、お盆休み:日本、ヨーロッパ全体、アラスカ
- <秋>シルバーウィーク:アジア、カナダ&ニューイングランド
- <冬>冬休み、年末年始:カリブ海
<春>ゴールデンウィーク(GW):地中海、アメリカ西海岸、日本発着外国船
個人的に1年のうちで一番海外発着のクルーズに適している時期はGWだと思っています。
なぜかというと、他の代表的な長期休暇であるお盆(夏休み)と年末年始は、世界中多くの国でも同様にバケーションシーズンである一方で、この時期に連休がある国は珍しいからです。
日本国内はどこに行っても激混みですが、一旦海外に出てしまえば観光地もすいています。
春におすすめなのは「地中海クルーズ」と「アメリカ西海岸クルーズ」です。
地中海についてはシーズンはじめの時期にあたるので、夏に行くよりはクルーズ代金が安めに抑えられます。
また、7泊8日で地中海を周遊しているコースでは、同じルートで乗船港を複数設定しているパターンが多いので、ご自身のGW日程や、飛行機のアクセスが良いといった条件から乗船港を選ぶことができるという利点もあります。
アメリカ西海岸の場合は、北行きと南行きがあり、ロサンゼルス~バンクーバーあたりの片道クルーズ(乗船港と下船港が異なる)になっています。
一般的に片道クルーズは周遊に比べて料金設定が安めなのと、西海岸は日本人に人気の観光地が密集しているので、お得感のあるコースです。
以前GWにロサンゼルス発バンクーバー行きのクルーズに乗船したときのことはこちらの記事にも書いております。
海外発着クルーズはちょっと・・・という方には日本発着という選択肢もあります。
日本船はもちろんのこと、GWは外国船の日本発着のクルーズも集中して実施され、普段あまり日本に来ない珍しい船に手軽に乗船できるチャンスでもあります。
個人的にはこの時期は海外を推してはいますが、次のいずれかに当てはまる方には日本発着クルーズをおすすめします。
- クルーズデビューでいきなり海外から乗船するのは不安の方
- 幼児・高齢者連れなど飛行機の移動が困難な方
- 連休が8日間以上取れない、または飛行機移動の時間がもったいない方
2020年のGWに行われる日本発着クルーズについては下記の記事に一覧にしております。
<夏>夏休み、お盆休み:日本、ヨーロッパ全体、アラスカ
コストも含めた総合的な夏のおすすめは「日本発着クルーズ」です。
気候的に日本全体のベストクルーズシーズンが夏なのと、先程も書きましたがこの時期は北半球の多くのエリアがバケーションタイムなので、海外旅行は飛行機もクルーズ代金も高騰しがちになるためです。
日本船(飛鳥II、にっぽん丸、ぱしふぃっくびいなす)ではこの時期、北海道行きや花火鑑賞といった夏らしいコースが設定されます。
3日~4日程度の短期クルーズも充実しています。
日本発着コースを多数設定している外国船といえば、コスタネオロマンチカやダイヤモンド・プリンセスがあります。
外国船は必ず寄港地に海外を含める決まりがあるため、飛行機で飛ばなくともプチ海外旅行ができるのもいいですね。
特にコスタネオロマンチカは4泊からのコース設定や、13歳未満の子供はクルーズ代金無料といったサービスがあり、現役世代やクルーズデビューの方にも乗船しやすい船です。
コスタネオロマンチカの乗船記も書いております。
もちろんせっかくの夏休みだから海外に行きたい!という方もいらっしゃると思います。
海外派への夏のおすすめは「ヨーロッパ全体(地中海、エーゲ海、アドリア海、バルト海)」と「アラスカクルーズ」です。
ヨーロッパは、比較的短期の片道クルーズから~10泊越えまで、寄港地も様々なバリエーションのコースが何本も設定されているため、パッケージ旅行派も個人手配派も参加しやすいというメリットがあります。
参入している船会社も多いですから寄港地やクルーズ船を変えて何度も訪れたいエリアですね。
アラスカも大自然が楽しめる人気クルーズエリアの1つです。
難点は7泊8日の設定が圧倒的に多く、平日1週間塗りつぶして9連休だと日程的にギリギリなため会社員の方にはハードルが高めなことです。
しかし海から崩落する氷河が眺められたりホエールウォッチングができたりと、アラスカは飛行機の旅よりクルーズが圧倒的に有利な場所なので長めの休みが確保できる方には是非行っていただきたい寄港地です。
<秋>シルバーウィーク:アジア、カナダ&ニューイングランド
ここ数年は大型のシルバーウィークはないようですが、それでも9月と11月には祝日がそれぞれ2日間ずつあるので、週末とつなげてさらに有休を足し連休を設定する方も多いのではないでしょうか。
ちなみに2020年は敬老の日と秋分の日が連続するため、9月19日(土)~9月22日(火・祝)の4連休になります。
そんな秋のおすすめは「アジアクルーズ」です。
定番はシンガポール発着のマレーシアやタイを訪れるコースです。
日本からのアクセスが距離的にも価格的にも良いところもいいですし、日程も4泊程度のコースが多いので参加しやすいです。
また、日本が寒くなってくるこの時期も、東南アジアであれば暖かいのでプールをはじめとする屋外のアクティビティも楽しむことができます。
アジアクルーズについてはこちらの記事にも詳しくまとめております。
もう少し足を延ばせる方には「カナダ&ニューイングランドクルーズ」もおすすめです。
ニューヨークやボストンからカナダへ北上していくエリアです。
紅葉で有名な場所ですので、次の秋は海外でもみじ狩りなんていかがでしょうか。
<冬>冬休み、年末年始:カリブ海
年末年始も曜日の並びがいい時には長期連休になる年がありますね。
2019年は12月28日が土曜日にあたるため、土日祝休みの方は9連休の人が多いのではないでしょうか。
また2020年も12月28日(月)がお休みにできる方は9連休(~1月3日まで)もしくは10連休(~1月4日まで)も可能です。
冬にはカリブ海がシーズンを迎えます。
主なルートはマイアミなどフロリダから出発し、カリブ海を南下していくコースですがこのエリアの特徴的なところは、多くの船会社がプライベートアイランドを所有していることです。
シュノーケリング、バーベキュー、カヤック、ウォーターパークといった様々なアクティビティが島中にあり、まさに楽園を絵に描いたような場所です。
日本が極寒を迎えるこの時期に暖を取りに行きたいものです。
こちらの記事では、長期休暇を取りやすい時期別のおすすめクルーズエリアを紹介しました。
気になるエリアはありましたでしょうか?
さらに詳細にクルーズ情報を調べたい方には、複数の船会社を一括に検索できる海外のツールの使い方を紹介した記事もあります。
もしよろしければ併せてお読みください。